

脳梗塞の半身不随のことを知って、予防・再発防止に役立てましょう。

左片麻痺は、右脳にダメージを受けてしまって右脳の機能が著しく低下した状態のことをさします。
右脳の主な役割について説明しておきましょう。個人差はあるものの右利きの人の場合右脳は劣位半球と呼ばれ、空間認識や直感力、音楽などに関する能力を司っています。この機能が失われてしまうのが、左片麻痺です。左片麻痺の特徴として、情緒的な部分や性格の変化など感情につかさどる機能がおかしくなると言われています。それではどのような症状が現れてくるのか、詳しく触れていきましょう。
代表的なものは半側空間無視。一般的に身体の左側の空間が認識できなくなってしまうもので、視界に入っていないとか見えていないというわけではなく、その空間が存在していないように無視してしまう症状です。そのため、食卓で左側に置いてある食事をそのまま残してしまうとか、身体の左側にある物にぶつかったりしてしまうのです。これと近い症状として、自分の左半身が認識できなくなる身体失認という症状も見られます。
他にも、自分の障害が客観的に認識できない病態失認や、集中力や注意力が衰える注意障害もあります。後者の場合、同時併行で物事ができなくなったり、注意力が散漫になったりします。
どのような症状で左片麻痺は引き起こされるのでしょうか。様々な要因が考えられていますが、主に脳のダメージを受けると片麻痺は現れます。次のような病気を発症すると、片麻痺になるリスクが高くなると言われています。
片麻痺の人に多くみられるのが、脳梗塞です。脳梗塞をした人の多くに片麻痺が現れます。この片麻痺は左片麻痺だけではありません。脳梗塞をおこした場所が左脳であれば、右片麻痺を引き起こし言語障害が残ってしまう場合があります。脳梗塞を起こした人の話し方が大きく変化する場合は、片麻痺を起こしている場合が多いと言えるでしょう。
脳梗塞に関しては「脳梗塞再発予防を考えるサイト」というサイトでも詳しく解説されていましたので、紹介させていただきます。
脳梗塞だけが片麻痺の原因ではありません。激しい頭痛を伴うくも膜下出血でも片麻痺の症状が後遺症として現れる場合があります。
これらの症状は、病気を発症した直後顕著に現れる症状ですが、それ以外にも徐々に片麻痺が現れるものもあります。
片麻痺が突然起きるのではなく、徐々に症状が現れ最終的に片麻痺になっているということもあります。その代表的な症状が次の通りです。
バイク事故など頭部を激しく損傷した場合。慢性硬膜化血腫になっている可能性があります。この病気の場合、外傷を受けた当初は何ともありません。しかし、1〜3ヶ月程度経過したところでしだいに麻痺症状が現れてしまい、進行具合によっては片麻痺の症状がひどくなってしまう場合があります。最初に症状が現れないので、とても厄介です。
脳の病気を起こさなくても、片麻痺になってしまう場合があります。アルコールを過度に摂取し続けると、麻痺症状が現れることもあるので、脳の病気がなくてもお酒の摂取量が多い場合は注意が必要です。
このように、主に脳の病気が原因で片麻痺は引き起こされることが多くあります。
なお、右片麻痺と左片麻痺に共通する症状もあります。身体の片側に運動障害や感覚障害が出るのです。口や舌の動きがマヒすることにより構音障害として発音が正しくできなくなることもあります。視覚が狭まったり一部が欠ける症状は同名半盲と呼ばれます。こうした症状は左片麻痺の場合、身体の左側で発生します。
左片麻痺になった場合、完全に元の生活に戻るのは不可能です。しかし、リハビリを継続的に行うことで、以前の生活レベルにはならないものの、不自由ない生活を1人で出来ることが可能になります。しかし、それには専門的なリハビリが必要です。
ここからは、左片麻痺のリハビリ方法について紹介していきましょう。
医療機関における半側空間無視の主なリハビリには電気刺激療法や視覚走査訓練、プリズムアダプテーションといった方法があります。
電気刺激療法は、麻痺している部分に電気を流し刺激を与えることで、機能を回復させようというものです。また、視覚操作訓練は、麻痺によって生じた無視空間に物体を置いて視覚で探させるという訓練です。これは、右脳の機能を高めるために行い、効果的であると言われています。これらのリハビリ訓練をしていくと、右脳の機能である空間認識能力を高めることにつながると言われています。
どのリハビリを行うかは、医療機関によって異なります。また保険適用外のリハビリ、ニューロリハビリテーションも有効だと言われているので、専門家の意見を聞いてどのリハビリを行うか検討しましょう。
情報参照元:脳梗塞リハビリセンター(NPO法人脳梗塞リハビリ研究会)公式HP
情報参照元:ひぬま鍼灸治療院公式HP
左片麻痺を起こしてしまった場合は、リハビリも必要ですが、日常生活でも工夫が必要です。重要なのが、残存機能を活かす生活を心がけることです。これをしっかり意識して生活を送ることで、日常生活の何気ない動きでもリハビリにつながります。では、具体的にはどのようなことができるのでしょうか。
日常的にできる対処としては、家の家具などの配置を見直して、できるだけ動線の左側にならないようにすること。ベッドやソファ、テレビなど身体の向きによる影響が大きいものは配慮する必要があるでしょう。車イスの左側ブレーキだけにマーキングするといったことも、一定のトレーニングになります。
また、家の中では車椅子や歩行困難な状態では生活が不自由な場所が発生します。このような場合は、手すりを備え付けたり、入浴用のマットを設置したりして転倒防止を避けるようにしましょう。
転倒すると、怪我をしてしまいその結果、リハビリの進行度が大きく遅れてしまいます。
脳卒中が原因の片麻痺は、肩が痛くなったり手の関節が硬くなってしまいます。そのため、適度に肩や手を動かすことで症状を緩和させる必要があります。
両手を組んで上まで持ち上げる運動を適度に行いましょう。立ったまま出来ない場合は、座った状態でも問題ありません。また、この時痛みが生じるのであれば痛みが起きない範囲で行うことも重要です。
親指を広げたり、人差し指から中指を外側にそらす運動も重要です。指を柔軟に動かしていくことで手の関節ノイタミを和らげることができます。また、手を動かすのは脳に刺激を与えるので有効であると最近のリハビリの研究でわかってきました。リハビリ施設以外の場所では、手をグーパーする動きを繰り返し動かすだけでもリハビリとして十分活用出来るので、積極的に取り入れていきましょう。
このように、医療機関でのリハビリ、日常生活でのリハビリを継続的に行っていけば、片麻痺の症状が軽減されたり、日常生活を送ることができます。諦めずにやり続けることが大切です。
発症すると厄介な病気でもある片麻痺。これを防ぐにはどのようなことに気をつけるべきなのでしょうか。もっとも気をつけるべきことは、生活習慣を見直すことです。脳梗塞を引き起こすと、片麻痺を引き起こす可能性が高くなります。そのため、脳梗塞を引き起こす要因を作らないことが大切です。
脳梗塞を引き起こさないために重要なのが、生活習慣の改善です。
次のようなことを意識して改善をするようにしましょう。
ヘビースモーカーの人は、知らないうちに脳梗塞のリスクを高めています。禁煙することをオススメしますが、もしいきなり禁煙することが難しいと感じるのであれば、喫煙の量を減らしましょう。
例えば1日2箱吸っている人は、1箱に減らすことを目標にして、徐々に減らしていきます。喫煙すればするほど脳梗塞のリスクを高めてしまうので、喫煙の量にも意識をしましょう。
脳梗塞のリスクを高める要因として、塩分の過剰摂取があげられます。塩分の含まれる食べ物は多くあります。普段から味が濃いものを好き好んで食べていたり、ラーメンを毎日のように食べている場合は注意が必要です。塩分を抑えた食生活を意識しましょう。
1週間に2回程度の運動をするように心がけましょう。ウォーキングを30分程度行うことでも構いません。また、階段上り下りをするでも構いません。適度な運動をすることが脳梗塞を未然に防ぐことになります。
片麻痺になってからでは、生活に支障をきたしてしまうので普段の日常生活にも意識することが重要です。もし、該当するような生活習慣があればすぐに見直すようにしましょう。