脳梗塞の半身不随のことを知って、予防・再発防止に役立てましょう。
脳卒中全体の中で見ると、脳梗塞は罹患数が一番多いこともあって、くも膜下出血や脳出血に比べると再発率が低めになるのですが、それでも初発から10年以内の再発率は50%前後と2人に1人は脳梗塞が実際に再発しているといわざるを得ません。
初発からの期間別に見ると、1年以内の再発が10%前後、5年以内が35%。時間が経つに比例して再発率が高くなるのは、生活習慣などが初発前の状態に戻ってしまう傾向があるのかもしれません。
脳梗塞は再発率が高いという現実を踏まえて、心掛けておくべきなのはその兆候を見逃さず、できるだけスピーディーに対処するということ。それには、再発のシグナルともいえる症状を頭に入れておいて、日夜気をつけておくことが大切です。ここでは、その主なものをピックアップしてみました。
顔や手足など片側が思ったように動かない、痛みは感じないものの意思通りの動きができない、といった症状が見られます。例えば、荷物を持とうとしても手や腕がうまく動かず落としてしまうといった具合で、日常生活の中で異変を感じるため、わりと本人や家族も認識しやすい兆候といえます。
片側の手足がしびれたり、痛みや触れた物の温冷が感じられないといった症状が出ます。
片側の目の視覚が狭まったり、ピントが定まらない、ダブって見える、といった症状が出ます。一瞬というよりは短時間その状態が続くのも特徴です。
呂律が回らないなどうまく話せなくなります。ラ行やパ行が含まれる言葉は特に兆候がわかりやすいことも覚えておきましょう。
他にも脳の血流が悪化することで起きる過性脳虚血発作にも注意。これは上で触れた脳梗塞の症状とも近い状態となりますが、1時間もすると回復したように見えます。ただし、楽観視できる状況ではありません。
こうした再発に至る要因としては、高血圧や血糖値の上昇など生活習慣による影響が大きいのも事実。日頃から血圧・血糖値管理をきちんとした上で、生活習慣を改めることが再発対策にもなります。