脳梗塞による半身不随を考えるサイト » 【自宅で出来る】半身不随の代替療法・回復方法 » ツボ圧し

ツボ圧し

WHOも認める鍼灸、脳梗塞からの回復には自宅でもツボ圧しを

鍼灸は民間療法であって医療ではないというイメージもあるかもしれません。とはいえ、WHO(世界保健機構)も鍼灸治療を認めるなど、現代では西洋医学だけでなく東洋医学も世界的に評価されていて、脳梗塞の回復でも鍼灸療法を積極的に取り入れている専門施設もあるほど。そこで、ここでは脳梗塞の回復目的で、自宅でもできるツボ圧しについて説明します。

家庭でもできる!お灸によるツボ圧しのポイント

著名な灸師が提唱する、脳卒中後遺症の治療穴というのがあり、その一部をピックアップしてみましょう。

なお、脳梗塞で半身不随など障害が出ている場合、上で紹介したお灸は患部側に行うのが基本。健康な側面への治療は予防的意味合いになります。

血流がよくなるといわれる手首のツボとは

脊山整体横浜院院長の脊山先生が発見した手首のツボがあって、これは血流を改善する効果があるとのことで、健康関連の雑誌でも公開されたもの。ツボの場所は、手の甲を上にして、手首の小指側にある突起部分を基点として下向きの正三角形▼を描き、下の頂点あたり直径2cmちょっとくらいの範囲です。

ツボ圧しをするには、反対の手の親指を使って10~20秒ほど押しもみするイメージ。両手で行ってみて痛みの有無をチェック、痛みがなくなるまで続けるのがポイントのようです。

なお、これはあくまで脊山先生の実践に基づく治療方法であることをご留意ください。

情報参照元:脊山整体倉敷院公式HP

針灸とは?

針灸を行なうことによりどのような効果が期待できるのかについてご紹介します。

針灸は日本では奈良時代に伝えられたと言われているもので、歴史があるのが特徴。世界中で認められた治療方法の一つとなっており、その効果も認められているのです。

その名の通り、「鍼」と呼ばれるのを用いて行ないます。鍼を用いた治療は素人では行なうことができず、「はり師」「きゅう師」といった国家資格を持っている方でなければなりません。国家資格が用意されていることからも国が認めた治療法の一つであることがわかりますね。

実際に針灸を行なったことがない方でも、テレビなどで一度は見たことがあるはず。「鍼を刺すなんて痛いのでは…」と思うかもしれませんが、治療で使われるのは髪の毛程度の細さしかない鍼なので、腕のあるはり師が行なえばいつ刺されたのかわからないほど刺激がありません。

痛みを感じるのは、皮膚にある痛みを感じるポイント「痛点」という点に触れた場合です。部位によっても痛点の数は異なりますが、1平方センチメートルあたり100~200個とされているので、確実に痛点を避けて鍼を刺すのは難しいといえます。

針灸の目的

なぜ皮膚に針を刺すことによって不調を改善することができるのでしょうか。これは、東洋医学の考えがもとになっています。

西洋医学の場合は、病気の原因を取り除くことによって不調を改善しようとしますよね。一方で東洋医学は自然治癒力を高めることにより不調にアプローチする方法です。ここで重要になってくるのが「気・血・水」のバランスとなります。

これらが崩れた場合には体調不良となり、バランスが取れていれば健康といった考え方が西洋医学にあるのです。そして、バランスを取るために用いられるのが針灸となります。針灸でツボを刺激することによりバランスが崩れがちな気・血・水を整え、不調を改善するわけですね。

また、免疫力を高められるのも針灸治療における大きな魅力だといえるでしょう。身体にとって負担の少ない治療法でもあるので、そういった意味で広く浸透しています。

しかし、日本において鍼灸は代表的な治療法といえません。日本での医療における鍼灸治療の導入は世界的に見ると、遅れを取っている形となるのです。近年は少しずつ針灸治療を医療現場で取り入れる動きも活発になってきましたが、現時点で鍼灸での治療を検討している方は、自分で施設などを調べ、治療を受けていく形になるでしょう。

リハビリへの活用

脳梗塞に関するリハビリを行なっている施設でも、積極的に針灸治療を取り入れるところが出てきました。針灸によって脳を覚せいさせることにより、状態の改善を図っていきます。

一部の国立大学では針灸を用いた治療が行われていますが、残念ながら多くの病院ではこういった治療法を受ける体制はまだ整っていません。病院での高速のリハビリの一環として針灸治療を取り入れたいと思っている場合は、対応している病院を探すことから始めなければならないのです。

針灸で適切な部位に刺激を与えることにより、脳へ刺激を送り、麻痺の改善効果が出られるのではないかと期待されています。また、針灸院外のリハビリ方法の中には体力を必要とするものもありますが、脳梗塞は高齢者に発症しやすい病気ということもあり、リハビリをしようにも体力が足りなくて断念することもあるでしょう。

針灸治療ではリハビリを受けるにあたり体力を増進させることもできるため、そういった意味でも役立ってくれます。

針灸治療を受ける際の注意点

針灸を行なっている施設はいろいろありますが、健康保険が適用されるかどうかについては症状や施設によっても異なるので、適用されるか事前に確認しておいた方が良いでしょう。

また、針灸で働きかけられるツボには非常に多くの種類があり、どのツボを選択するかについては治療を受ける施設によって考え方が異なります。ベテランのはり師がいるところを選択した方が良いのはもちろんですが、そのはり師の考え方が必ずしも自分に合っていると限らないので、この点については注意しておかなければなりません。

口コミでの評価を調べたり、実際に治療を受けてみるなどして自分に合っているかどうかを考えてみましょう。

針灸治療の効果について

脳卒中などで運動麻痺などが発生してしまった場合、様々な治療方法があるわけですが、その中の一つが針灸です。運動療法に関してもどれも決め手になる治療法とは言えないところが現実なので、運動療法でうまく効果が出せていない場合は針灸治療を実践することについても検討してみてはどうでしょうか。

以前から針灸治療は麻痺の治療に取り入れられることがありました。例えば、脳卒中患者40例を対象に行われた研究があります。こちらの研究では、4例でステージが2段階上がるなど鍼灸治療の有効性が認められたとのこと。

この中で有効例が確認されたものについては、状態が変わらなかった例に比べて多く治療を行なっていたのも特徴です。有効性が確認された例では特に下半身よりも上半身でその効果が高く見られており、中でも発症期間の短いものの方が効果的でした。

それだけでなく、頭が重かったりイライラを感じる、疲労感が取れないといった不定愁訴と呼ばれる状態を改善する効果も見られたのです。

実際に、針灸での治療を受けたところ、気持ちがスッキリした、頭のモヤモヤがなくなったと感じる方も多いようなので、リフレッシュ目的で取り入れてみるのも良いのではないでしょうか。

しかし、ご紹介したように実際に針灸を用いた運動麻痺の治療において、すべての方が変化を実感できたわけはありません。

症状が変わらなかった方は有効例が確認されたケースに比べて平均的な療回数が少なかったのですが、これは変化が実感できずに途中で治療を断念してしまったケースも含まれます。

こちらの研究では長期間にわたって治療を継続した方が、有効性が認められた方が多いものの、有効例の平均治療回数は25.3回ということもあり、ほんの数回程度で変化が期待できるものではないことがわかりますね。

治療の一環として針灸を取り入れて行こうと思っている場合も、長い目でみて取り組んでいくことが重要になってくるでしょう。そのためには信頼できるはり師を探すなどのポイントも大切になってくるので、インターネット上の情報を参考にしたり、かかりつけの医師に相談しながら治療に取り組んでみましょう。

参考:(PDF)第52回 全日本鍼灸学会学術大会(香川):ここまで分かった鍼灸医学一基礎と臨床との交流 脳機能および中枢神経疾患に対する鍼灸の効果と現状[PDF]

※こちらの記事も読まれています。

脳梗塞セルフケアのポイントは『血液をサラサラ』にあった?