

脳梗塞の半身不随のことを知って、予防・再発防止に役立てましょう。

この事例は、公益団体に勤務する53歳の男性が、二世帯住宅で暮らす両親の介護に関するもの。83歳の父親が脳梗塞を患い、後遺症として右半身麻痺や高次脳機能障害といった症状が出ていて、軽い認知症もあり要介護3。77歳の母親は脊柱管狭窄症のため歩行に支障があり、こちらは要介護1ですが、父親の介護は原則、母親が担当しています。
とはいえ、要介護の母親一人に父親の介護を押し付けているということではなく、年金の介護サービスをフルに活用して、勤め人であるこの方は各種手続きや関係者とのミーティングのために仕事を休まざるを得ないといった状況。日々の主な介護風景は以下の証言が参考になります。
基本的には母が父の介護をやっています。母は足が不自由ですが、まだ父の介護を行うことがどうにか可能で、父の排泄のケアもしています。父は日中、デイサービスを利用し、朝夕にはホームヘルパーさんにも来てもらっています。母の具合が悪い時などは、父は介護老人保健施設(老健)に入所したり、ショートステイを活用したりすることもあります。
母もデイサービスを週2回利用しています。デイサービスを利用しない日は友人が家に来たり、友人と喫茶店やファミリーレストランに出かけたりして、一人で閉じこもらないようにしています。自宅に一人だけですと心配ですが、友人と一緒であれば私も安心です。
母親が入院中は2.5ヶ月の介護休暇をとるなど、職場の理解も得られています。それでも、先行きを見据えて特別養護老人ホームへ入るための手続きもすでに済ましているとのことです。
次の事例は、東京に住む50代男性が、宮城県に住む要介護の両親を遠隔介護したという事例です。母親は加齢に伴う認知症、父親は脳梗塞によって半身不随となり車イス生活を余儀なくされました。すでに両親は他界していますが、当時の苦労や介護の実状がわかるポイントをピックアップしてみましょう。
一番大きかったのは、両親を引き受けてくれる施設があったことです。私の場合は、遠距離介護でしたので、預かってくれる施設がなければ仕事との両立が立ち行かなくなると思っていました。
地域包括支援センターと訪問介護事業所のケアマネジャーとの密な連絡と協力体制が構築できたことも大きかったです。何かあった際には相談に乗ってもらったり、連絡いただいたりととても良くしてもらいました。介護ヘルパーの方にも、家に様子を見てもらうなどご協力いただきました。特に遠距離介護の場合は、周りの方との連携がなければ続けていくのが困難だと思います。
有給休暇をとって帰省するなど本人も遠距離での介護に尽力しましたが、奥様の理解などもあり、難局を乗り切ったという印象です。