脳梗塞による半身不随・片麻痺を考えるサイト
脳梗塞の半身不随のことを知って、予防・再発防止に役立てましょう。
脳梗塞の後遺症で最も多く見られるのが、身体機能に障害をもたらす脳性麻痺です。中でも、半身不随(片麻痺)からの回復を目指すには、医療機関での治療はもとより、根気強いリハビリと家族のサポートが必要不可欠。
このサイトでは、脳梗塞による半身不随の原因・症状・治療方法・家庭でできる再発予防ケアなどをまとめています。
脳梗塞では、ダメージを受けた脳の箇所によって、麻痺の発生場所や症状が違ってきます。基本的に、脳がダメージを負うと、逆側の半身に影響が出る傾向にあります。
ダメージ箇所と起こる症状の関係について、半身不随以外に注意したい後遺症も解説します。
右半身に麻痺症状が出るのは、左脳へのダメージが原因です。多くの人は左側が優位半球となり、発話・言語理解・計算などを司っています。その左脳がダメージを受けると、右半身麻痺の他に、失語症・構音障害などの後遺症が生じる可能性があります。
左半身に麻痺症状が出るのは、右脳へのダメージが原因です。一般的に右脳は劣位半球となり、空間認識・直感力・音楽能力などを司っています。その右脳が損傷を負うと、左半身麻痺の他に、身体失認・着衣失行などの後遺症が生じる可能性があります。
優位半球・劣位半球と利き腕の関係とは?
上記のように、優位半球と劣位半球とでは、司る能力が変わってきます。右利きの人は99%、左利きの人でも半数は、左脳が優位半球だと言われています。ただ、稀に優位半球と劣位半球が逆転している方もいらっしゃり、そうした場合は、半身麻痺や障害の症状が上記の表と逆転して発生することがあります。
脳梗塞のリハビリ過程は、大きく3つの期間に分けることができます。急性期は発症直後から入院中の期間を指し、回復期は病院や専門施設でのリハビリ治療期間、維持期(生活期とも言う)は自宅での自主訓練の期間になります。脳梗塞の発症後は、48時間以内にリハビリを開始できるかどうかが重要になってきます。
急性期 (発症直後)
期間:発症後1~2週間
発症後に運び込まれた病院で行われ、回復期に向けてベッドから離床させることが目的になります。この段階で寝たきり生活が続くと廃用症候群(筋肉・間接・心肺機能が衰えベッドから起き上がれなくなる)になる危険があり、48時間以内のリハビリ開始が推奨されています。
回復期 (病院など)
期間:急性期後3~6ヵ月間
リハビリ専門の病院や施設で行われ、歩行・日常動作・言語訓練など、家庭生活に戻るためのリハビリを行います。医師や看護師のほか、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護士・栄養士といった専門士のサポートを受けながら、身体機能の回復を目指します。
維持期 (自宅)
期間:回復期後
自宅に帰った後のリハビリで、生活期とも呼ばれています。基本的には回復期の治療を踏襲しつつ、日常生活が問題なく暮らせるまで継続していきます。家の各所にスロープ・手すり・踏み台などを設置し、転倒のリスクを回避しつつも、積極的に行動するようにしましょう。
電気や温熱を使って筋肉を刺激する物理療法(理学療法)と、ストレッチや筋トレ、歩行訓練といった運動療法について紹介しています。
下垂足や肩の脱臼などで、関節部を保護するために装具を装着します。片麻痺の場合、患部側の足に装具を付けて歩行訓練を行います。
筋肉を弛緩させるもの、痛みを抑えるものなど、脳のダメージを治すというより、後遺症に伴う症状を和らげることを目的とした治療です。
失語症に対する治療方法です。言語聴覚士によるマンツーマントレーニングやグループでのコミュニケーショントレーニングなどを行います。
記憶障害や注意障害、遂行機能障害といった症状で行われます。症状や病期によって内容が変わり、書き取りや計算練習などを行います。
脳医学をベースとした治療方法で、最近では「促通反復療法(川平法)」や「ロボットスーツHAL」といった新治療が注目されています。
いったん脳梗塞を発症してしまうと、それからは再発のリスクと向き合っていかなくてはいけません。2005年に発表されたデータによると、脳梗塞は初発から10年以内の再発率が50%前後と報告されています。(※1)さらに再発の場合、初発で受けた傷がさらに広がることで、より深刻な症状になる可能性が高まります。(※2)
再発を防ぐためには、血圧・血糖値のケアが欠かせません。医師の指示のもと治療とリハビリを行いながら、日頃より再発のリスクを減らすような生活とケアを心がけてください。
情報参照元:
※1Hata J, et al: J Neurol Neurosurg Psychiatry 76: 368-372, 2005
※2脳梗塞リハビリセンター(NPO法人脳梗塞リハビリ研究会)「脳梗塞の再発」
脳梗塞による半身不随になったら、医師の指示に従って適切なリハビリや治療を行ってください。それに加えて、自宅でも代替療法に取り組み、早期回復や再発の防止に取り組みましょう。
ドロドロの血液や血管に溜まった老廃物は、脳の血流を弱め、脳梗塞の発症はもちろん再発リスクも高めてしまいます。そこで、血液をサラサラにし、血液中の老廃物を排泄できるとして注目を集めているのが『酵素』です。その効果を実証するエビデンスや、質の高い酵素の選び方を紹介します。
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脳梗塞対策の脳の血管のうち直径が1.5cm未満の細い血管で梗塞が発生している状態を、ラクナ梗塞といいます。軽い言語障害が見られるのは多発性脳梗塞で、症状の出ない無症候性脳梗塞もあります。
ラクナ梗塞悪玉コレステロールが血管の壁の中に入ることでドロドロの固まりである粥腫(じゅくしゅ)ができ、動脈硬化になるのがアテローム血栓性梗塞。血管が詰まった箇所によって4種類に分類されます。
アテローム血栓性梗塞血の固まりである血栓が心臓にできて、それが脳に達して動脈を詰まらせてしまうのが心原性脳梗塞症。日中、急に手足のマヒや言語障害、感覚障害などが起き、重症化するケースも多いのが特徴です。
心原性脳梗塞症半身不随のリハビリと介護には、患者さんご本人とそのご家族に様々な負担がかかります。実際に脳梗塞の後遺症を経験された方の声をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
「最初の兆候は左足の違和感で、歩ける状態でしたが病院に行き、MRI検査の結果入院することに。左手と左足に力が入らなくなり、早期発見ができたものの、脳梗塞の怖さを実感しました…」
患者さんの体験談はこちら「基本的には母が父の介護をやっています。母は足が不自由ですが、まだ父の介護を行うことがどうにか可能で、父の排泄のケアもしています。父は日中、デイサービスを利用していますが…」
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